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このブログのEV記事で、毎日のように出てくる数字があります。「夜間電力28.85円/kWh」——日産サクラの充電コスト計算の土台になっている、我が家の電気の単価です。

今回はこの数字の正体を種明かしした上で、ちょっとした実験をしてみました。「もし今、我が家がゼロから電気プランを選び直したら、どうなるのか?」——電力比較サイトのエネチェンジに、我が家の実際の数字を入れて検証してみたんです。

結果は、正直ちょっと意外なものでした。そして「比較サイトの節約額の読み方」という、誰も教えてくれない教訓も得られました。EVの自宅充電を考えている方には、かなり役立つ内容になったと思います🔌

💡 ①我が家の電気契約の正体——「電化上手」

我が家は東京電力エナジーパートナーの「電化上手」というオール電化向けプランを契約しています。TEPCOの契約内容画面から、正確な単価を書き出すとこうです。

項目内容
契約電化上手・10kVA
基本料金2,457.50円/月
昼間時間(10〜17時)夏季 43.93円/その他季 40.44円
朝晩時間(7〜10時・17〜23時)35.87円
夜間時間(23時〜翌7時)28.85円

特徴は一目瞭然で、夜の8時間がとにかく安い。サクラの充電タイマーを23時開始にしているのも、エコキュートの沸き上げが深夜なのも、ぜんぶこの単価表に合わせた生活設計です。EVとの相性は抜群で、「EVのためにあるようなプラン」だと思っています。

🚫 ②ところが、このプランにはもう入れません

「じゃあ私も電化上手に!」——残念ながら、それはできないんです。電化上手は新規受付を終了した旧プラン。今契約している人だけが継続できる、いわば「化石プラン」です。

つまり、これからEVを買う方・オール電化の家を建てる方は、いま受付中のプランの中から選ぶしかありません。そこで気になるのが「今のプランって、電化上手と比べてどうなの?」という疑問。これ、我が家にとっても他人事ではありません。何かの事情で引っ越したら、我が家も「今のプラン」から選び直しになるからです。

📚 ③比較の前に:電気プランは「燃料費調整」で3タイプに分かれる

実際に比較して分かったのですが、プラン選びで一番大事なのは基本料金でも単価でもなく、燃料費調整(燃調)がどのタイプかでした。先に整理しておきます。

タイプ燃調の決まり方特徴
①大手準拠型地域の大手電力と同じ動きが読みやすい。単価差だけの勝負になる
②独自燃調型その会社が独自に算定単価を安くできる代わりに、燃調が大手とズレて動く
③市場連動型卸電力市場(JEPX)に連動安い時は激安、市場高騰時は跳ね上がる。2021年の電気代高騰事件はこのタイプ

「新電力だから安い/危ない」というざっくりした括りではなく、この3タイプのどれかを見る——これが今回いちばんの学びでした。

🔍 ④エネチェンジに「我が家の実数」を入れてみた

比較に使ったのは電力比較サイトのエネチェンジ。郵便番号・世帯人数・現在の契約(電化上手10kVA)を入れると、我が家の使用パターンを推定して年間の電気代を試算してくれます。

エネチェンジのシミュレーション入力画面——世帯人数・現在の電力会社(電化上手)・1ヶ月分の電気代を入れるだけ

我が家の条件はこうです。EVの自宅充電とエコキュートがあるので、使用量は4人家族としてもかなり多めです。

現在のプラン電化上手 10kVA
年間使用量(推定)9,629kWh
現在の年間電気代(推定)325,851円

結果、提案されたのは3つのオール電化向けプラン。表示された「初年度の節約額」はこうでした👇

プラン表示された節約額
🥇 オール電化オクトパス(オクトパスエナジー)▲30,723円
🥈 東京オール電化プラン(ENEOSでんき)▲15,028円
🥉 オール電化プラン(idemitsuでんき)▲2,033円

……あれ? 「電化上手は最強の化石プラン」のはずが、年3万円も安くなる!? 正直、結果を見た瞬間は動揺しました😅 でも、ここからが本番です。

🔬 ⑤数字の解体——「特典」と「燃調」を剥がしてみる

料金詳細を開いて、節約額の中身を分解しました。すると、まったく違う景色が見えてきます。

シミュレーション結果1位・オール電化オクトパスの料金詳細——初年度30,723円節約の内訳
オクトパスENEOSidemitsu
表示の節約額▲30,723円▲15,028円▲2,033円
うち特典(キャッシュバック等)15,000円13,474円分3,000円
特典を除いた実力差▲15,723円▲1,554円(誤差)+967円(むしろ高い)

まず、2位と3位。初年度限定の特典を剥がすと、電化上手とほぼ互角か微妙に負けでした。この2つは燃調が「①大手準拠型」なので、純粋に基本料金と単価の勝負になり、電化上手の牙城は崩せない——想定どおりの結果です。

面白いのは1位のオクトパスです。内訳を見ると——

  • 電力量料金:334,238円 → 222,668円(▲11.2万円!単価では圧勝)
  • 燃料費調整:▲78,117円 → +21,006円(+9.9万円戻される)
  • 差し引き+キャッシュバックで ▲30,723円
電化上手からオール電化オクトパスへ切り替えた場合の内訳——電力量料金で約11万円安くなるが燃料費調整で約10万円戻される構造

オクトパスは「②独自燃調型」。今は電化上手側の燃調が▲7.43円/kWh(政府の料金支援込み)、オクトパスが+2.76円/kWhで、その差が約10円/kWhあります。我が家の使用量だと、燃調の差が1円/kWh動くだけで年間約9,600円結果が変わる計算。つまり「年1.5万円お得」は、両者の燃調が今のまま続く前提の数字であって、確実な得ではなく「変動に賭ける得」なんです。

🌙 ⑥もうひとつの落とし穴——「夜間」の定義が違う

合計額だけ見ていると絶対に気づけないポイントがもうひとつありました。「夜間が安い」の中身が全然違うんです。

電化上手オール電化オクトパス
安い時間帯23時〜翌7時(8時間)深夜1時〜6時(5時間)
夜間の単価28.85円/kWh約17.9円/kWh
それ以外朝晩35.87円/昼間40〜44円一律 約24.5円/kWh

※オクトパスの単価は2025-04版の目安です(燃調・再エネ賦課金別)。

電化上手が「広く浅く」なのに対して、オクトパスは「狭く深く」。夜間単価そのものは4割も安いのですが、激安なのはたった5時間です。EV乗りの目線で具体的に言うと——

  • サクラの充電タイマーは23時開始 → 1時開始に変更が必要
  • 3kW充電×5時間=1晩15kWhが激安枠の上限。普段の充電(5〜10kWh)は収まるが、遠出帰りの大充電(16kWh超)は枠からはみ出す
  • エコキュートの沸き上げも同じ5時間に同居するので、深夜の電気が「渋滞」気味になる

「夜間〇円!」という数字だけでなく、その夜間が何時間あるのか。オール電化・EV家庭のプラン選びでは、ここが効いてきます。

🏠 ⑦我が家の結論:電化上手を維持します

検証の結果、我が家は乗り換えません。理由は3つです。

  • ① 一度離れたら二度と戻れない——電化上手は新規受付終了。乗り換えに「お試し」がきかない、不可逆の選択になる
  • ② 電気代の予測可能性——電化上手の燃調は大手準拠で動きが読みやすい。独自燃調は会社の裁量次第で、家計の見通しが立てにくい
  • ③ 期待できる差が薄い——特典を除けば年1.5万円。燃調が1.5円/kWh逆に振れれば消える規模で、①②のリスクに見合わない

言い換えると、我が家が電化上手を続ける最大の価値は「安さ」そのものより、電気代を安定して予測できることなんだと、今回の検証ではっきりしました。毎日のEV充電コストを28.85円/kWhで計算し続けられるのは、地味だけど大きな安心です。

✅ ⑧こんな人は比較する価値あり

一方で、立場が違えば結論も変わります。次に当てはまる方は、一度シミュレーションしてみる価値が十分あります

  • これからEVを買う・オール電化の家を建てる方——そもそも電化上手という選択肢がないので、「今選べる中でのベスト」を探すしかない。今回の3プランの比較がそのまま参考になるはず
  • 大手の従量電灯(普通のプラン)でEVを充電している方——夜間割引のないプランからの乗り換えなら、改善幅は我が家のケースより大きくなる可能性が高い
  • 引っ越し予定がある方——電化上手は引っ越し先に持っていけません。事前に相場観を持っておくと慌てない

シミュレーションは郵便番号と世帯人数を入れるだけで、無料・登録なしで結果まで見られます。そして見るときは、今日の教訓をぜひ——「特典込みの初年度額」ではなく「特典を剥がした差」と「燃調のタイプ」と「安い時間帯の幅」を見る。これだけで、数字に振り回されなくなります。

👉 エネチェンジで今選べる電気プランを比較してみる

📝 まとめ

  • 我が家の28.85円/kWhの正体は、新規受付終了の旧プラン「電化上手」
  • 実数で比較したら「年3万円節約」と出たが、中身は半分が初年度特典、残りは燃調の風向き次第だった
  • プラン選びは「燃調の3タイプ」と「安い時間帯の幅」を見る
  • 我が家は予測可能性を取って電化上手を維持。ただし年1回の再点検は恒例にする

「比較した結果、変えない」も立派な比較の成果。数字の読み方が分かっただけで、今回の実験は大収穫でした😊

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