EVの急速充電の料金って、実はちょっと不思議な仕組みでした。「入れた電気の量」ではなく「つないだ時間」で課金されるのが長らく当たり前だったんです。
ガソリンで例えるなら、「リッターいくら」ではなく「給油機の前にいた分数で支払う」ようなもの。給油が遅いクルマほど損をする仕組みです⛽
これが2026年4月から、少しずつ変わり始めました。充電した電力量(kWh)で支払う「kWh課金」の導入です。そして——これ、サクラのような軽EVにこそ関係が大きい話なんです。順番に説明します。
「時間課金だと小さいEVほど損をする」を、実際にやって確かめた動画です(79秒)。
🔍 何が変わった? eMPの直営96か所でkWh課金がスタート
全国の急速充電網を運営するe-Mobility Power(eMP)が、2026年4月1日から直営の急速充電スポット96か所で、ビジター利用のkWh課金を順次始めました。単価はこうです。
| 場所 | kWh課金の単価 |
|---|---|
| 高速道路(SA・PA) | 143円/kWh |
| 一般道 | 110円/kWh |
kWh課金にならないスポットは、充電器の立地と最大出力に応じた時間課金(高速の50kW以下で77円/分、100kW超で121円/分など)に移行しました。
ポイントは3つあります。
- 対象はビジター利用のみ(充電カード会員は各カード会社の料金のまま)
- 対象の充電器には「従量課金対応ステッカー」が貼られている
- 96か所はeMPの充電網全体から見ればごく一部。まだ入口の段階です
🐢 時間課金は「充電が遅い車ほど損」の仕組みでした
ここからが本題です。なぜこの変更がサクラに関係あるのか。
サクラの急速充電は最大30kW。30分つないで入るのはだいたい10kWh前後です(残量や気温で変わります)。一方、大きなバッテリーを積んだEVは、90kW級の充電器なら同じ30分で25kWhほど入ることもあります🔋
時間課金だと、この2台が同じ料金を払うことになります。1kWhあたりに直すと——
| 30分の料金 | 入る電気 | 実質単価 | |
|---|---|---|---|
| サクラ(最大30kW) | 2,310円 (高速・77円/分) | 約10kWh | 約231円/kWh |
| 急速に強い大型EV (90kW器を利用) | 2,970円 (高速・99円/分) | 約25kWh | 約119円/kWh |
同じ電気なのに、サクラは約2倍払っていた計算になります。悪気のある仕組みではなく「時間で課金する」以上こうなってしまうのですが、軽EV乗りとしてはずっとモヤモヤするところでした😅
🧮 kWh課金なら「誰でも同じ単価」になる
kWh課金では、この不公平がなくなります。サクラでも大型EVでも1kWhは143円(高速の場合)。入れた分だけ払う、ガソリンと同じ感覚です。
さきほどのサクラの例で比べると——
- 時間課金:30分で 2,310円
- kWh課金:10kWhで 1,430円
同じ充電で880円の差です。一般道でも同様に、時間課金1,650円に対してkWh課金なら1,100円。充電がゆっくりな車ほど、この改定の恩恵が大きいことが分かります。
⚠️ 正直に:それでも急速充電は「高い」です
ここで浮かれずに、正直な数字も置いておきます。
わが家の自宅充電は夜間電力で28.85円/kWh。高速のkWh課金143円は、その約5倍です。公平にはなりましたが、安くなったわけではありません。
なのでわが家の使い方は変わりません。基本は自宅で満タン、外の急速充電は遠出のときの継ぎ足し。この位置づけのままです(自宅充電3年の話はこちら)。
📌 充電カードを持たないわが家にこそ、関係のある話でした
もうひとつ大事なのは、今回の改定がビジター利用(カードなしのその場利用)の話だということです。
わが家は充電カードを契約していません(→充電カードは必要か)。たまの外充電は、イオンのWAON充電やディーラーのビジター充電のような「都度払い」で済ませてきました。
そういうカードなし派のビジター料金が公平な方向に変わり始めた——これが今回いちばんうれしいところです。月額のカード代を払わない代わりにビジター料金の割高を受け入れる、というトレードオフが、少しだけ緩みました。
📝 まとめ
- 2026年4月から、eMP直営96か所のビジター利用でkWh課金が始まった(高速143円/一般道110円)
- 従来の時間課金は充電が遅い車ほど損=サクラは実質約231円/kWhを払う場面もあった
- kWh課金なら誰でも同じ単価。サクラの30分充電で約880円の差
- ただし自宅充電の約5倍の単価。「基本は家、外は継ぎ足し」は変わらず
- まだ96か所=入口。広がるかどうかをこれから見守りたい
急速充電の料金は各社の改定が続いています。対象の場所・単価は変わる可能性があるので、利用前にeMPの公式発表やアプリでの確認をおすすめします。わが家の日々の充電・電費の記録はEV実測データのページで公開中です🚗
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※料金・対象スポットは2026年8月時点の公表情報に基づきます。「30分で約10kWh」は残量・気温により変動する目安です。充電カード会員の料金は各事業者により異なるため、本記事ではビジター利用のみを扱っています。